異色の経歴を持つ大谷講師が語る、ブランクや他業種からの挑戦でもゲームUI/UXのプロになれる理由

「未経験からゲーム業界に入りたい」「UI/UXデザイナーに転職したいけれど、自信がない」そんな不安を抱えている方にとって、遠回りしている自分でも挑戦できるのかという悩みは、とても大きいのではないでしょうか。

今回お話を伺ったのは、C&R Creative Academy(以下:アカデミー) ゲームUI/UXデザインコース講師の大谷典通氏。

映画『トイ・ストーリー』への感動をきっかけにCGの専門学校へ進学し、その後、ゲーム業界でディレクションやプランニングなど多岐にわたる開発経験を積んできました。

さらに特徴的なのは、一度ゲーム業界を離れ、6年間の物流業界という異業種を経験した後に復帰している点です。現在はC&R Creative Studios Planet Design Studio(以下:スタジオ)の第一線で活躍しています。

一見すると遠回りにも思えるキャリアですが、その裏には常に明確な目的と、周囲から「戻ってきてほしい」「力を貸してほしい」と求められる確かな信頼がありました。様々な現場を経験した大谷講師だからこそ分かる「未経験からの挑戦のリアル」と、ゲームUI/UXデザインコースにかける熱い想いを、塾長の佐藤がじっくりと紐解きます。


[プロフィール]
ゲームUI/UXデザインコース講師 大谷 典通

[インタビュアー]
C&R Creative Academy責任者 佐藤 浩平


■ 20代での濃密なゲーム開発経験と、視野を広げるための選択

佐藤浩平(Creative Academy責任者)※以下、佐藤:

大谷さん、本日はよろしくお願いします。改めてこれまでの歩みをじっくり伺えるのを楽しみにしていました。大谷さんは現在43歳とのことですが、経歴を拝見すると非常に濃密な経験を重ねてこられていますよね。まずは、クリエイターの道を志した最初のきっかけから教えていただけますか?

大谷 典通さん(ゲームUI/UXデザインコース講師)※以下、大谷講師:

よろしくお願いします。私の出身は東京の蒲田なのですが、高校までは本当に成績が悪くて、どこもいけないと言われるくらいだったんです。そんな時に、ちょうど映画『トイ・ストーリー』の1作目が公開されて、それを見て「コンピューターグラフィックスって面白そう!」と思ったのが最初の動機です。もともとゲームもずっと好きだったので、そこからコンピューターグラフィックスの専門学校に飛び込みました。

佐藤:

そこからクリエイターとしての第一歩が始まったのですね。学生時代からすでに実務に関わられていたとか。

大谷講師

学生の頃、CGの作品を作りながら、当時はちょうどWebが流行り始めてFlashが出た当時だったんです。趣味でFlashを使ってホームページのポートフォリオサイトを作っていたら、それを見かけた専門学校の先生が「こういうバイトがあるよ」と紹介してくれて、短期のWebデザイナーをやらせていただきました。そして卒業するタイミングで契約が終わったので、やっぱりゲーム業界に行きたいと思い、3Dデザイナーを募集していた会社に採用いただきました。皆さんも知っているような有名IPを手掛けていた会社です。

決して後ろ向きな理由ではなく、ご自身の見聞を広げるための前向きな区切りだったのですね。その後すぐ海外へ行かれたのですか?

いえ、すぐには海外へは行かず、「外国人と仕事をしてみたい」という思いから、お台場で期間限定で開催されていた海外アーティストの展示イベント「ノマリック美術館」のスタッフ募集に応募しました。コンテナを積み上げたユニークな会場で行われるイベントでした。
現場の上司(ディレクター)は英語を話す方で、当時の私は英語がまったく話せなかったのですが、前職のリーダー経験を評価していただき、「ディレクターをやってみないか」と声をかけていただきました。

こうして、半年間の期間限定でディレクター業務を担当することになりました。

現場には英語が話せるスタッフも多かったため、間に入ってサポートしてもらいながら、なんとか業務を進めていきました。

その仕事が終わった後には、1週間だけニューヨークへ飛び込みで旅行へ行き、帰国後はイベント会社のつながりでサーキットの仕事などにも関わるようになりました。

英語が喋れない中でも現場をまとめあげる「人間力」があったからこその大抜擢ですね。その後、再びゲーム業界に戻られるわけですが、ここも周囲からの信頼があっての復帰だったと伺いました。

そうですね。サーキットの仕事が終わってから、前職の会社に挨拶をしに行ったんです。そうしたら「戻ってこないか」というお話をいただけて、デザイナーとプランナーのサポートという形で現場に復帰することになりました。復帰後はかなりハードで、昼間はXbox開発の企画プレゼン用素材を作り、夜中は深夜にかけて企画のプレゼン用動画資料を3〜4日で作るというような生活でした(笑)。当時は中堅デザイナーの方々がたくさんいる環境で、全く違う刺激を受けながら形にしていき、無事に企画が通って仕事をやることになりました。その後はXbox、Nintendo DS、Wiiなどの開発に関わり、DSの時はアシスタントから入ってほぼディレクターのような仕事を任されたり、Wiiの開発ではアシスタントディレクターとして発注元の開発会社 さんと週に1回ミーティングをしたりしていました。とあるプロジェクトでは、モーションキャプチャーの指示出しをしながら、自分自身でもキャプチャースーツを着て動いたりもしましたね。

■ ゲーム業界を離れた「6年間」のブランクと、未経験者を育てる喜びへの気づき

大谷さんはディレクションの上流工程まで一通りやりきったのですね。しかしその後、一度ゲーム業界を完全に離れましたが、ここにはどういった心境があったのでしょうか。

25〜6歳から30歳手前まで全力で走りきったところで、少し疲れてしまった部分もあり、「あれ、俺はどこを目指しているんだろう」と将来的にも目標が漠然としてしまった時期があったんです。そこで一度ゲーム業界を卒業しようと決めて辞めました。
当時マウンテンバイクのサイクリングにハマっていたこともあり、体を動かしたいという思いから物流業界に飛び込み、そこで6年間フォークリフトの仕事をしました。その現場でも、一緒に打ち込んで働く中で、コンサルの人が現場での私の動きを見て拾ってくれたり、非常に面白いキャリアを積めました。

物流業界で6年間しっかり腰を据えて働かれた。大谷さんが選んだ道に対して常に誠実に向き合う方だということがよく分かります。そこから再びクリエイティブの世界へ戻るきっかけは何だったのですか。

32〜3歳くらいまで続けた時に、「この先もずっと体を動かし続けるのは体的にきついな」と感じ始め、デスクワークで食べていく方法はないかと考えて、未経験からシステムエンジニア(SE)を募集している会社に応募したんです。無事に採用されたのですが、過去のゲーム業界の経歴を評価してくれていたようで、入社初日に「Photoshopが使えるデザイナーがいなくなるから、大谷くん、デザイナーをやってくれませんか?」と言われまして。SEとして飛び込んだのですが、「わかりました、やります」とお引き受けして、スマートフォン向けのゲームアプリ開発の現場に入ることになりました。

入社初日にデザイナーへ(笑)。
やはり過去の実績とスキルが放っておかれなかったのですね。

始まった直後は、初日にアプリのデータを誤って消しかけるというとんでもない失敗もしたのですが、必死にバックアップから戻したりしながら喰らいつきました。その後、デザイナーが不足してきたため、「未経験の方を採用して、スキルを伸ばして戦力にしていこう」という話になり、私が色々と募集をかけて教育を担当することになりました。ゼロから未経験の人を育てて戦力にしていくプロセスを繰り返すうちに、気づけば自分がデザインチームを立ち上げていました。その現場は入れ替わりも激しかったのですが、私が作ったデザイナーのチームは辞める人が一人もいなくて、ずっと続けてくれて安定していたんです。未経験から始めた人たちが、楽しそうに長く続けてくれるチームを作れたことは、自分にとってすごく大きな経験でした。

■ かつての激務から「定時退社」がスタンダードな時代へ。クリーク参画への驚き

その会社で5〜6年ほど実績を積まれた後、C&R Creative Studios へ来られたのですよね。その経緯についても詳しく教えてください。

立ち上げたデザインチームは非常に安定していたのですが、「これ以上自分のスキルを伸ばすために、もっと色々な現場で働ける環境はないかな」と個人的に感じ始めていた時期でもあったんです。そんな時に、先にその会社を辞めて『ファミキャリ』に登録していた仲の良いプランナーと飲みに行く機会がありまして。「絶対に大谷さんならいけますよ」と勧められて、その日の夜に登録したのがきっかけです。すると、本当にその日の夜のうちにカジュアル面談のお話をいただけて(笑)。

すさまじいスピード感ですね(笑)。

はい(笑)。面談の際、リモートか本社への来社か選べたのですが、「せっかくだから会社を見てみたい」と本社へ伺いました。そこでエージェントの方とお話しする機会をいただきました。まだ現職の会社には退職を伝えていない段階だったため、「引き継ぎも含めると3ヶ月ほどお時間をいただくことになります」と正直に相談しました。
すると「問題ありません、その方向で進めましょう」と快諾していただき、安心して次のステップへ進むことができました。
その後は、中途派遣の方へしっかりと業務を引き継いだうえで、スタジオへの参画となりました。

佐藤:

実際に参画されてみて、どのような印象を持ちましたか?

大谷講師:

実は、私はゲーム業界を一度6年間も離れてブランクがありましたし、前職はできたばかりの部署で歴史が浅かったので、良くも悪くも「その会社の常識しか知らない状態」だったんです。今ゲーム業界がどうなっているのか分からない状態のまま飛び込んだので、最初の1ヶ月間は「本当に会社に馴染めるのかな……」と、すごく不安でした。

あの大谷さんでも、最初は馴染めるか不安だったのですね。

そうなんですよ。ただ、実際に働き始めてみたら、会社の仕組みもそうですし、業界全体がめちゃくちゃ変わっていて驚きました。私が最初に3Dデザイナーとして働いていた頃も、物流業界にいた頃も、とにかく遅くまで働くのがスタンダードでした。前職でも定時で帰れる日はあったものの、なんだかんだ1日10時間以上は働いていたんです。でも、ここに来たら「定時で帰れる」のが当たり前になっていて。
「あ、今のゲーム業界って、こういうクリーンな働き方がもうスタンダードなんだな」と驚きましたし、業界自体がものすごくホワイトになっていることを身を以て実感しました。不安はすぐに吹き飛びましたね。

■ 「卒業生の活躍に感動」講師と塾長が共有する、育成への熱い想い

ここまで大谷さんの本当に濃いキャリアのお話を伺ってきましたが、現在の「教える」というお仕事にも、その経験がすべて活きているなと感じます。

実はインタビュー前にも少し雑談していましたけど、アカデミー卒業生、現場で本当に目覚ましい活躍を見せてくれていますよね。

ええ、本当にそうですね。

例えば、スタジオのエフェクトチームリーダーとして活躍しているTさんという方がいます。現在では、現場から「100人規模のチームを率いるリーダー」としての役割を任されるほど高い信頼を得ており、第一線で活躍されています。

実はそのTさんも、もともとはアカデミーの受講生だったんですよ。

ええっ、そうなんですか!同じアカデミーを卒業した子がそこまでの大役を任されて、第一線で活躍してくれていると聞くと、いや、めちゃくちゃ嬉しいですね。いいお話ですね。

佐藤:

本当に嬉しいですよね。ゲームUI/UXデザインコースでも直近に新しく進路(就職先)が決まった受講生がいましたけれど、やっぱりその瞬間は毎回感動します。それがその方にとっての「初めての業界就業」だったりすると、なおさら込み上げるものがありますね。なんて言うか、決まった時の感動って本当に凄まじいじゃないですか。

そうですよね、本当にその通りだと思います。最初から何でも器用にこなせる人ばかりではないですから、悩んだり躓いたりしながら進んだ方ほど、講師としても思い入れが強くなりますよね。実は現在受講されている方のなかにもちょっとデザインスキルがまだ乏しいな、荒削りだなと感じる受講生の方がいらっしゃるんです。この間も、その方に対して改めてじっくりとフィードバックを返す機会をやらせていただいたのですが、その時も本当に色々と模索しました。

スキルがまだ追いついていない受講生に対して、具体的にどのような想いで向き合われたのですか?

「やっぱこう、なんとかしてあげたい」という気持ちが一番にあります。

ただダメな部分を指摘するのではなく、どういう角度からアプローチすれば、この人のスキルを一番真っ直ぐに伸ばしてあげられるのだろうか、と。そこを私自身もすごく考えさせられましたし、今も常に真剣に向き合っています。

「どういう角度でスキルを伸ばせばいいのか」。

一人ひとりの個性に合わせた伸ばし方を模索するというのは、まさに大谷さんご自身が多くの業界やブランク、そして他職種への再挑戦を経験してきたからこそできる、血の通った指導ですね。

そうですね。私自身、高校時代は落ちこぼれだと言われ、ゲーム業界から離れて6年間のブランクを作ったり、30代を過ぎてから未経験で別の会社へ飛び込んだりと、たくさんの遠回りをしてきました。

だからこそ、最初から上手くいかなくて悩んでいる人の気持ちが人一倍よく分かります。技術的なアドバイスはもちろんですが、「諦めずに喰らいつけば必ず道は開ける」ということを、受講生の皆さんの可能性を信じて、これからも全力で伝えていきたいですね。

■ 結論:「ゲームUIをやりたい」その熱意の意思表示があれば、私たちは全力で応えます

大谷さんのような心強い講師が並走してくれるゲームUI/UXデザインコースですが、これから新しく一歩を踏み出そうとしている読者の方へ、改めてメッセージをお願いできますでしょうか。

私たちのコースは、現場の最前線で求められるノウハウがしっかりと詰め込まれたカリキュラムの内容になっています。今の環境から新しいプロの世界へ飛び込んでチャレンジするのには、本当に良いきっかけになるんじゃないかなと思っています。ですので、「未経験だから」「デザインの勉強を始めたばかりだから」と難しく考えすぎず、まずは迷ったら応募してみてほしいです。

応募を迷っている方の中には、「自分のポートフォリオはまだレベルが低いんじゃないか……」と不安に思っている方も多いと思います。

大谷さんは、ポートフォリオを見る際にどのような点に注目されていますか?

ポートフォリオの段階で、完璧な作品が並んでいる必要は全くありません。何よりも大切なのは、ご自身の「意思表示」です

例えばポートフォリオのどこかに、「私はゲームのUIがやりたいです!」という強い意欲や、そのための意思がしっかりと分かるものさえ入っていれば、現状のスキルがどうであれ、私は全然面談をさせていただきます。

技術の完成度ではなく、「ゲームUIの世界に飛び込みたい」という熱意の証明があればいいのですね。

その通りです。
入校した後に、私たちと一緒に一からしっかりとスキルを磨いて、プロへと頑張っていけるカリキュラム内容になっていますので、その熱意さえあれば何も心配いりません。
人生の途中からでも、新しい挑戦を始めるのに遅すぎるということは絶対にありません。ぜひ、皆さんの熱いチャレンジをしていただけると嬉しいです。お待ちしております!

ありがとうございます。今日のお話はめちゃくちゃ面白かったです!
大谷さんのこれまでの歩みと、育成にかける熱い想いがしっかりと伝わってきました。お忙しい中、本当にありがとうございました!
C&R Creative Academy ゲームUI/UXデザインコースにて、皆さんのご応募を心よりお待ちしております!

取材後記

今回のインタビューを通して伝わってきたのは、「一直線のキャリアだけが正解ではない」ということでした。
大谷講師自身が、ブランクや異業種への挑戦を経ながらも、再びクリエイティブの第一線へ戻り、さらには未経験者を育てる立場として活躍されています。
だからこそ、C&R Creative Academyには「自分にはまだ早いかもしれない」「遠回りしてしまった」と感じている人に対して、本気で向き合い、可能性を伸ばしていく土壌があります。
実際に、多くの受講生が未経験からスタートし、それぞれの形でプロとしての一歩を踏み出しています。
もしこの記事を読んで、少しでも「やってみたい」という気持ちが芽生えたなら、ぜひその直感を信じてください。ポートフォリオの完成度ではなく、「ゲームUI/UXに挑戦したい」という意思そのものが、最初の一歩になります。
遠回りでもいい。ブランクがあってもいい。
その経験すべてを強みに変えられる環境が、ここにはあります。
次に新しい一歩を踏み出すのは、あなたかもしれません。

C&R Creative Academyでは授業料が完全無料。
就業後を見据えた実践形式の授業で、プロを目指す方を育成します。
ゲーム業界への就職を目指す方は、ぜひ一度、説明会にご参加ください!

説明会はこちらからお申し込みできます!