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イベントレポート
【イベントレポート】2024年2月2日(金)エフェクト・モーション

「今からクリエイターを目指すなら絶対にエフェクトデザインとモーションデザインがオススメ!」というテーマで開催された今回のイベント。

エフェクトデザインとモーションデザインがいかに重要な職種なのか、みなさんにお届けします。

キャラクターモデルや背景モデルに比べて人口が少ないですが、経験を積めば活躍できる職種です。卒業生や現役のプロである講師にご登壇いただき、仕事内容や魅力をお伝えしていきます。

登壇者全員がゲーム業界の未経験者

今回、エフェクト・モーションの魅力を語っていただくのは、現役のデザイナーでありアカデミー講師としても活躍している井口先生と竹沢先生。卒業生の永瀬さんと松岡さんです。

この4名に共通していることが2つあります。「未経験からゲーム業界に飛び込んできた方」であり「アカデミーの卒業生」だということです。

「エフェクトやモーションを選んだ理由」や「実際の仕事の様子」、「向いている人」について話し合ってもらいました。


[講師]
・夜間3Dモーションコース講師 井口先生
・昼間ゲームエフェクトコース講師 竹沢先生

[ゲスト]
・昼間3Dモーションコース 2021年11月卒業(COYOTE 3DCG STUDIO就業)永瀬さん
・昼間ゲームエフェクトコース 2022年10月卒業(VFX STUDIO就業)松岡さん

[司会]
・C&R Creative Academy 責任者:佐藤 浩平
・C&R Creative Academy運営 :大久保 よし美


エフェクト・モーションの魅力

エフェクトやモーションの仕事内容は一般的にイメージしにくいので、選択する人が少ない職業といわれています。

エフェクトやモーションの魅力に気づき、転職に至った経緯を伺っていきます。

エフェクト・モーションを選んだ理由とは?

佐藤(アカデミー責任者)※以下、佐藤:
モデルクラスや背景クラスを選ばれる方が多いなか、エフェクト・モーションを選んだ理由をお聞かせください。

永瀬さん(卒業生)※以下、永瀬:
ディズニーにハマったことがきっかけです。大学生の頃にディズニー映画の『塔の上のラプンツェル』を観てモーションの素晴らしさに感動しました。
ハマる前は「ディズニーは子ども向けの作品」と嘲笑っていました。これまでの考えが一変して、キャラクターに命を吹き込む仕事がとても魅力に感じて、モーションを選択しました。

佐藤:
きっかけはディズニーなのですね!実際に仕事をしていても、キャラクターを動かすことで魅力的になり、命が宿ったと感じますか?

永瀬さん:
感じます。担当したキャラクターを生かすも殺すも自分次第です。いくらキャラクターが素晴らしくても、自分の技術を活かしきれなければ台無しですから、慎重に向き合っています。

佐藤:
では、エフェクトデザイナーのお二人はいかがでしょうか?

竹沢先生※以下、竹沢:
私は魔法を使えるようになりたくてエフェクトという職種を選択したんです。
中学生の頃に自分のお小遣いで購入した『ファイナルファンタジーXIII』のCGに魅了され、ゲーム関連の専門学校へ進むビジョンを思い描いていました。ですが、親から勧められたプログラムメインの高等専門学校に通うこととなり、卒業後にシステムエンジニアになりました。その後、当時のビジョンを思い出して、人生後悔したくないと考えたんです。
立体魔法陣が好きで作り方を調べていると「VFXデザイナー」という職種を初めて知りました。ゲームの中で「CGも作れて魔法も作ることができる!VFXデザイナーになればいいんだ!」とゲーム業界へ移転したわけです。

松岡さん(卒業生)※以下、松岡:
私は「ゲームを作ってみたい」と思い始めたのがきっかけです。前職が遊技機の映像制作をしていたので、ゲームを作る人たちを近くで見ていました。ですが、パチスロを作りたいのではなく、コンシューマーゲームを作りたかったんです。エフェクターを選んだのは、動きのあるものが好きで選びました。

佐藤:
モーションも動きを作る仕事ですが、エフェクトを選ばれたのはなぜでしょうか?

松岡:
映像制作では演出ばかり作っていたので、派手な動きや演出に惹かれていたというのが理由です。

実際の仕事について深掘りすると喧嘩寸前に!?

佐藤:
実際の仕事の流れや業務範囲などを教えてください。

井口先生※以下、井口:
モーションデザイナーは制作工程の中流に位置する仕事です。上流では企画やシナリオライターがストーリーやキャラクターの設定を作っているので、ストーリーやキャラクター設定のあとに私たちがキャラクターの動きを作っていきます。

佐藤:
実際にどのような形で依頼がくるのでしょうか?

井口:
仕様書や絵コンテによる依頼がモーションデザイナーにまわってきます。

佐藤:
エフェクトはどうでしょうか?

竹沢:
まず制作工程については、エフェクトデザイナーは下流工程です。
依頼形式についてですが、エフェクトデザインは現実世界に見本があるわけではないので、依頼内容を言語化するのが非常に難しい職種です。依頼書には「某ゲームのあの場面を参考に、範囲は○○くらいの必殺技を作ってください」という指示がほとんどです。
明確な指示がない分、自分の知識や経験を活かしてアイディアを盛り込めるのがやりがいのある仕事です。

佐藤:
制作工程としては、キャラクター制作→背景制作→モーション→エフェクトの順番ですね。
エフェクトが最後なので納期が遅延することがあり、厳しいと聞いたことがありますが本当なのでしょうか?

竹沢:
めちゃくちゃありますね(笑)
(納期優先で)モーションがまだ完成でない状態でも、エフェクトを付けなければならないこともあります。その場合、変更を命じられることもあり、すべてやり直しになることがよくあるんです。
この場で深掘りすると(職種同士の)戦争が勃発するかもしれないので、これ以上はやめておきますが(笑)。

井口:
竹沢先生、モーションデザイナーとのやりとりのこと、もっと語ってください(笑)。

竹沢:
えっと、ちょっと話題を変えますね(笑)。
エフェクトデザイナーはいろんなセクションに関連している職種です。エフェクトをつけるのは、キャラクターだけではありませんし、エフェクトが完了するとプログラムやサウンドも入ります。
いろんな職種と関わる分、コミュニケーション能力は必須だと感じます。

エフェクトやモーションデザイナーに向いている人とは?

佐藤:
どのような人がエフェクトやモーションデザイナーに向いているとお考えですか?

井口:
モーションデザイナーに向いていない人は大雑把な人だと思います。一方、モノづくりにこだわりを持って臨める人は向いています
すべての力を発揮するのは難しいことですが、100%に近いものを目指そうとする人ですね。クリエイティブ職に共通して向いている人だと思いますね。

永瀬:
井口先生の補足になりますが「日頃からいろんなものに触れて吸収できる人」もモーションデザイナーに適しているのではないでしょうか。自分の知識にないものは形にできませんから、インプットは大事だと考えています。

竹沢:
それでいえば、エフェクトデザイナーに向いている人は「自分を自主的にアップデートできる人」です。
使うツールが他の職種と比べて圧倒的に多いんです。一般的にUnreal EngineとUnityを使うことが多いですが、お客さんが社内で使用している特別なツールを使う場合もあります。案件ごとにツールを覚えなければいけませんし、ゲーム業界全体の進化が著しいので、技術に関する興味の高い人が向いていると考えます。

松岡:
そうですね!追求心があって、より効率的に物事を進めていける人はもっとモーションデザイナーに向いていると思います!

打ち合わせを実践してみた!

井口:
こちらは、エフェクトクラスとモーションクラスの連携もかねて私が制作したものです。
見てわかるように、動作で何をしているのかわかると思いますが、とても地味でインパクトがありません。明らかに情報量が少ないので、エフェクトデザイナーに依頼をして、華やかにしていただきます。

竹沢:
現時点ではエフェクトが間に合っておらず、これから受講生につけていただく予定です。

井口:
竹沢先生、仮にエフェクトを付けるとしたらどのようにイメージされますか?

竹沢:
長尺であれば前方にビームを放つでしょうし、前方に衝撃波のような連続性のあるエフェクトも良さそうですね!

井口:
キャラクターの動きを見ていただいたと思いますが、技の種類を増やして提案をいただくことも可能でしょうか?

竹沢:
はい、可能です。

佐藤:
なるほど、このように打ち合わせをしているのですね!お二人ともありがとうございます。

アカデミーを受講するとこんなメリットがある

アカデミーを受講するメリットについて、今回の対談であがった内容をもとに、3つのポイントで紹介します。

メリット1:実践を想定した学びの環境が整っている

「興味があること、ないこと」に関わらず、仕事で携わらなければならないことがあります。仕事である以上、自分たちの成長もかねて意識してやるべきことがインプットとアウトプットとのことでした。

インプットについて、永瀬さんは毎週末、映画を視聴して観察眼を鍛えているそうです。

「映画内に登場するキャラクターの表情や行動、演出によって私たちは心を動かされています。作品のどの場面で感動したのか?」を掘り下げることで、よりクオリティの高い作品ができるとおっしゃっていました。

アウトプットについて、今回の4名は仕事で必然的にアウトプットができる環境ですが、そうでない方はなかなか機会がないでしょう。そんな方々はアカデミーで学びながら、実際にツールを触ってアウトプットして見ると良いでしょう。

1人で作業をしていると、壁に当たってしまい上手く進まない方もいると思われます。アカデミーであれば同期や先輩、講師のサポートもありますし、仲間の協力を得てアウトプットする環境が整っています。

メリット2:いつでも相談が可能

今回の座談会の最後に、一般の方からの質疑応答の時間を設けさせていただきました。

「どんなツールを使ったら良いのか?」「観察眼を鍛えるためにプロは何をしているのか?」「今やるべきことは何か?」など、イベントに参加された方々からたくさんの質問をいただきました。

アカデミーの受講生であれば、現役のクリエイターである講師にいつでも相談や質問ができます。受講生は課題に取り組み、講師から直接添削してもらえます。講師からのアドバイス、制作中に感じた疑問点、効率のよい作業方法、精神面など、なんでも相談できます。

また、卒業後は就職を目標としているので、プロになるための全面的なサポートもさせていただいております。

志望する企業にアカデミー卒業生が勤務しているケースも多く、アカデミーでの活動やエージェントからの情報を通して、就職してからの仕事のイメージを事前に想像できるのもうれしいポイントです。

メリット3:現役クリエイターも活用している素材が学べる

竹沢先生が紹介していた「エフェクトクラスWiki」という、アカデミー生専用のまとめサイトで自己学習ができます。

竹沢先生いわく、テクスチャと呼ばれているエフェクトの素材の作り方をまとめたホームページとのこと。受講生たちが学びやすいように、素材をどんどん追加しているようです。

実際にVFX STUDIO所属のプロも、参考素材として使用しているようで、現役クリエイターが活用している素材を、早い段階でチェックできるのが嬉しいところです。

就職してすぐに技術が活かせるので、入社後も活躍の幅が広がります。

取材後記

現在アカデミーでは、3DCGファームというアカデミー講師による作品の添削、今回ご登壇いただいた井口先生も週に1度添削をしていただいております。ぜひ、みなさんチャレンジしていただければ幸いです。

アカデミーでは授業料完全無料で、就業後に活かせる実践形式の授業を行っております。
気になる方や少しでも興味がある方は、毎週水曜日に説明会を開催しています。
こちらからお申し込みは随時受け付けておりますので、ぜひ参加してみてください。

※モーション作品例に株式会社アプリボット様が提供するMaya用フリーリグを使用しております。https://www.applibot.co.jp/recruit/3dadopt/3drig/

文:小川翔太

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