未経験からの挑戦。言語化能力の向上&仲間との協力で切り開いた3DCG業界への道

経済学部出身で全くの未経験からCG業界に転身し、外資系パブリッシャーへの就職を果たした木下さん。

オンラインスクールでの学習を経て、C&R Creative Academy(以下:クリエイティブアカデミー)で本格的にスキルを磨き上げ、わずか数ヶ月で目覚ましい成長を遂げました。

今回は、その軌跡と成功の秘訣について詳しくお話を伺いました。


[卒業生]
昼間背景モデルコース卒業生 木下さん(2025年1月卒)
24歳、経済学部出身。オンライン3DCGスクールで1年学んだ後、クリエイティブアカデミーに入校し、外資系パブリッシャーに就職

[インタビュアー]
C&R Creative Academy責任者 佐藤浩平


学習の始まりとアカデミーとの出会い

佐藤浩平(Creative Academy責任者)※以下、佐藤:

木下さんは経済学部というデザインから全く違う学部から、3DCGオンラインスクールを経て、アカデミー受講してくださっています!アカデミーを受講するに至った経緯をお聞かせいただけますか?

木下さん(卒業生)※以下、木下:

経緯が複雑で、最初オンラインでCGスクールに通っていたのですが、カリキュラムを終えて就職活動をしようと思った時に、御社の COYOTE 3DCG STUDIO に応募したんです。残念ながら選考に落ちてしまったのですが、その時に「クリエイティブアカデミー」を紹介していただきました。

佐藤:

なるほど。ちなみに、就職活動ではどれぐらい応募されたんですか?

木下:

10社ぐらいは応募しました。そこで二社ほど書類が通ったのですが、面接でダメで…という状況でした。

佐藤:

せっかく1年お金を払って勉強したんだから、このまま頑張って就活しようって思う人もいるし、アカデミーに来る人もいる。木下さんはなぜアカデミーをチョイスしたんですか?

木下:

面接の時に、作品の説明を全くできなかったのが一番大きくて。とりあえず作ってはいるものの、「じゃあこれ、どういう意図なの?」って聞かれた時に、自分の言葉で説明できない。なんとなく作っているというのが問題で、もし仮に幸運にも会社に入った場合に、それが足を引っ張りそうだなと思っていました。そういう自分で説明できる力をつけたいなって思った時に、紹介いただいた「クリエイティブアカデミー」を思い出しました。

佐藤:

自分の根底にある力みたいな、もうちょっとつけたいなっていう、そういう狙いがあったということですね。

木下:

そうですね。厳しい環境に身を置いてなんとか今の自分を変えたいと思っていました。

アカデミーに入校してからのギャップ

木下:

私が通っていた3DCGスクールも完全オンラインでしたが人との交流はなく、1対1のチャットでのフィードバックが基本でした。すごく閉鎖的で、ほかの受講生の進捗を知ることができませんでした。ただ、説明できるようになるためには周りの人とコミュニケーションをとることが必要だと感じていて、アカデミーで環境を変えられたらなと思っていました。

佐藤:

他の講師だったり、生徒とのコミュニケーションを求めていきたかったということですね。実際入ってみて、なんかギャップみたいなものは感じました?

木下:

オンラインでコミュニケーションを取ることが苦手だったのもあって、「フィードバックもらってもいいですか?」みたいな緊張感があるコミュニケーションをイメージしていたのですが、実際に話してみるとそういったことは一切なくて、みんなフランクにボイスチャットに集まって作業通話をすることもあって、そこはギャップでした。結構オープンだなって思いました。

佐藤:

悪い意味でのギャップで、ここはもうちょっとこうだったらよかったなみたいなのはありました?

木下:

受講生別にカリキュラムをカスタマイズしていることもあって、カリキュラムが統一されていない感じがします。いい意味で柔軟ではあるんですけど、そうなると先輩たちが今までやってきたフィードバックが意外と生きなかったりするというのがあるので、悩んだことはありました。

佐藤:

業界のニーズに合わせてカリキュラムが常に更新されているところがメリットでもあり、デメリットになっているんですね。

木下:

そうなんですよね。

趣味と仕事の意識の違い

佐藤:

制作で苦労したことはありましたか?

木下:

テクスチャとかは苦労したかなって思っていて。受講前は趣味の延長線で作っていて、テクスチャとかも雑だったし、リファレンスからテクスチャを切り取って貼り付けるということをやっていたんですけど、「そのやり方は業界では通用しないから、ちゃんとリファレンスを見てテクスチャーを描いて」っていわれて趣味と仕事の意識の差に苦労しましたね。

佐藤:

仕事目線でやっているか、趣味目線でやっているかみたいな違いがあったってことですね。

木下:

そう、しかも自分はそれはわかっていない。どこが趣味で、どこが仕事の境界線なのか、いまいちわかっていないっていう。そこは苦労しましたね。

成長のターニングポイント

佐藤:

講師からの評価を振り返って見てると、最初はクオリティがなかなか出せない感じだったという評価があったんですけど、中盤あたりからめきめき伸びていって、卒業時点では最高評価で卒業されています。
この数ヶ月間で特に自分が変わったなとか、成長したなって感じたことはありますか?

木下:

やはり、言語化できるようになったことかなって思います。最初に、壁だと思っていた作品に対して説明できないこともそうなんですけど、ほかの受講生の作品に対しても意見が言えるようになったし、自分の思考回路を、そのまま言葉に出せるようになったかなって思っています。きっかけっていうきっかけがなくて。ただ、授業で作品に対するフィードバック会があるんですけど、率先して司会をやっていたのが大きかったのかなって思います。

佐藤:

言語化する特訓を、フィードバック会で意識的にやっていったことで、言語化能力が上がって、言語化能力が上がったことによって、自分にできることやできないこと、つまずいていることが明確化するようになって、ガンガン伸びていったみたいな感じですね。

木下:

そうですね。それが大きかったです。たしか中盤あたりが退学者が多くいた時期で、その離脱者たちの姿を見て、学ぶこともありました。

離脱者から学んだ成長するために大切な2つのこと

佐藤:

離脱していった方たちから何を学びましたか?

木下:

やっぱりその大きな違いとしては、思考をちゃんと言語化できないっていうことが、一番大きいかなって思っています。例えば、事実があったらすぐ意見を言ってしまうんですよね。離脱した人たちって、自分なりの解釈が入ってないんです。自分なりに解釈して、この場合もあるし、こういう場合もあるよねっていうことをまとめて、意見として言わなきゃいけないんですけど、ただ鵜呑みにしすぎている。
あともう1つは、助けを呼ぶ声が結構遅い。本当にギリギリで締切り1週間前にようやく「すみません、見ていただけますか?」って声をかけるんです。どうしても制作を続けていくと躓いてしまうことや、自分の解釈だけでは解決できないことがあるので、「助け合いましょう」って仲間同士声を掛け合っているんですけど、離脱者たちは手を挙げるのが遅くなりがちで、締め切り1週間前になるとアドバイスのしようがないんですよね。困ったときはすぐに声をかけるべきだと思います。

佐藤:

逆に木下さんがそこを意識しているってことは、そこが成長における大事なポイントだと考えているということでしょうか?

木下:

そうですね、やっぱりそこに尽きるかなって思います。人に頼らないと、自分も何もできなかったし、CG制作も全然うまくいかなかったと思います。ただ、助けを求めるには、自分なりの意見を持っていかないと、どこで間違えているのかって分からない。そう思うので、自分の意見を持つことと、仲間に意見を求めることの2つは大事かなって思います。

作品制作への取り組み

佐藤:

3DCGスクールで作った作品と、アカデミーで作った作品を見比べて、自分を評価するとしたらどうですか?どこがどう成長したとか、どういうふうに捉えてい、ますか?

木下:

8ヶ月の成長というか、規模感は大きくなったし、使えるツールも増えていったのもあるし、その作品のストーリーを意識して、制作できるようになったことかなって思っています。例えば、その壁の汚れ方は、その場に人が入ったことをにおわせられるように、似たような環境のリファレンスを集めて、それを意識しながら制作していく、ということを意識できたと思っています。

佐藤:

作者の人が表現しきれていない奥行きや背景みたいなところも、こちらがくみ取って作り込むみたいなことってあると思うんですけど、どう意識しましたか?

木下:

先生が他の人にフィードバック出していた時のアドバイスで、印象に残っている言葉があります。「実際にそのリファレンスの中に自分が立ってみて、そこでどう感じるのかをその作品に投影して制作するのが大事だ」っていうアドバイスされていて、それを聞いて自分なりに、実際にその作品の中に入って感じるような、乾いた風だったり、霧の濃さだったりを意識しながら、それを作品に載せられたかなって思いますね。

就職活動について

佐藤:

就職活動についてお伺いします。3DCGスクールを修了された際はご自身で就職活動を進められて、今回はC&R社のエージェントと一緒に進めていきましたがエージェントを使ってみて、ここはよかったなと思ったところはありますか?

木下:

やっぱり自分の弱点をくみ取って対策してくれるところが一番良かったかなって思っています。面接がすごく苦手だったので「とにかく面接苦手です」ということを伝えたら、話し方や考え方など0から100まで面接に関することを教えていただけたので、すごく心強かったなと思っています。

佐藤:

細かいところのフォローというか、アドバイスみたいなのを結構くれたんですね。

木下:

手厚くしていただきましたね。特に条件面とか聞きづらいことが多いと思うので、そういうことはエージェントさんが話を通してくれるのは、気持ちの面でも楽でしたね。

就職先選びの基準

佐藤:

就職先を選ぶ時に何か意識したことはありますか?

木下:

やっぱりいろんな経験をしたいっていうのがあって、それを軸に企業を探していきました。。今回内定をいただいた会社は、韓国が本社にあって勤務先が東京支社で、東京支社の中でも新しくチームを作るっていう、新しいことずくめっていうのが、自分にとって魅力に映りましたね。

佐藤:

新しい経験ができそうなところを軸にしていたということですね。

今後のキャリア展望

佐藤:

どんなクリエイターに今後なっていきたいですか?

木下:

影響を与えるクリエイターになりたいです。何の?って言われるとそれは別になくて、会社内だけでなく会社外やプレーヤーの人たちにも影響を与えていきたいです。例えば背景を見て、環境問題について考えるきっかけを与えたり、自分のように背景モデラーになりたいなっていう人にきっかけを与えたり。そういう与えられるようなクリエイターになりたいと思っています。

佐藤:

社内外問わず関わる人に影響を与える、そういう人材になりたいということですね。素晴らしいですね。

業界を目指す人へのメッセージ

佐藤:

最後に、今後業界を目指す方で、二の足を踏んでしまっている方や業界を目指そうと思っている方に向けて、木下さんから一言いただけますか。

木下:

私がCGをやり始めたきっかけが、いいアドバイスになるのかなって思うのでお話しさせてください。
私がアルバイトをしていた時に定年退職された方とお話しする機会があったんですよね。その方々に「もし私の年齢に戻れるんだとしたら、何をしますか」っていうことを共通して聞いていたんですよ。
そうしたら全く同じ答えが返ってきて、「若いうちはたくさんいろんな経験をしなさい」「どうせ年を取っていったら、体が動かなくなっていって、同じ結果に行き着くから、その結果が見えるんだったら、もう若いうちにたくさん経験して、たくさん失敗して、それを糧に、年取ったら生きていけばいいよ」ということを言っていただいて、それで挑戦しようって思ったんですよね。

佐藤:

ご年配の方にインタビューしたんですね。すごいですね。

木下:

相当その時迷っていたんですよ。

佐藤:

どんな失敗をしても、それが次につながる失敗になるというのを意識していれば、どんなことをやってもいいのかなって思いますね。

木下:

最後に、今の業界が求めている本気度の質が違うなと感じています。今までは「そのゲームが好き」というだけでもこの業界に入れたと思うんですけど、もうひとつ壮大なテーマっていうのが必要なのかなって思っていて。
それは例えば、前職を辞めた人だったら、仕事を辞めて後がないっていう危機感でもそうですし、対人関係での苦手意識の克服とか、今まであった好きだけじゃ超えられない壁っていうのを最近感じるようになってきました。それはゲーム業界のハードルが上がっているからだと思うんですけど、そこは自分なりの考えとして回答させていただきます。

佐藤:

それは大事なポイントだと思います。社会が変革してきてますからね、作業員だと仕事が奪われてしまう時代なので、そこは大いにあると思います。

取材後記

木下さんの成功の鍵は、言語化能力の向上積極的な助けを求める姿勢にありました。未経験から始まり、最初は作品の説明もできなかった状態から、わずか数ヶ月で言語化能力を身につけ、自分の思考を明確に伝えられるようになった過程は、多くの人にとって参考になるでしょう。
また、離脱者の分析から学んだ「思考の言語化」と「早めの助けを求める」という2つのポイントは、学習を進める上で非常に重要な要素です。

最後に、人生の先輩たちからの「若いうちにたくさん経験をしなさい」というアドバイスは、これから業界を目指す多くの人の背中を押してくれることでしょう。失敗を恐れずに挑戦することの大切さを、木下さん自身の体験を通じて伝えてくれました。

業界のハードルは確実に上がっていますが、それだけに真剣に取り組む人にとっては大きなチャンスがある時代でもあります。
木下さんのような成功例を参考に、多くの方がCG業界での夢を実現していくことを期待しています。

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