“自分にできるのか”を越えた先に──卒業生3人が語るクリエイターの現在地【後編】

株式会社クリーク・アンド・リバー社の「C&R Creative Academy」(以下、アカデミー)からゲーム業界へ飛び込んだ3人がいます。3Dキャラクターモデラーとして活躍する東山さんと李さん、そして社内外の幅広い案件を手がけるプランナーの平林さんです。現在はいずれも株式会社クリーク・アンド・リバー社のC&R Creative Studiosに所属し、プロとしてゲーム制作の現場に立っています。なぜアカデミーに参加したのか。どんな不安を抱えていたのか。そして今、どのような仕事をし、どんな未来を描いているのか。塾長の佐藤が、3人の率直な言葉を聞きました。

後半では、アカデミー修了後、実際にプロの現場に立った3人が経験した苦労や、仕事の中で感じている楽しさ、そしてこれから描いているビジョンについて話を聞きます。

学びの場を離れたあと、どのような壁に直面し、どのように乗り越えてきたのか。現場だからこそ求められる姿勢や考え方が、具体的なエピソードとともに語られています。

ゲーム業界を目指す人にとって、現実的なイメージを持つ手がかりとなるパートです。


[プロフィール]
昼間ゲームプランナーコース卒業生 平林さん(2023年11月卒)
昼間キャラクターモデルコース卒業生 李さん(2024年12月卒)
昼間キャラクターモデルコース卒業生 東山さん(2024年12月卒)

[インタビュアー]
C&R Creative Academy責任者 佐藤浩平


苦労したことと、乗り越えた先に見えたもの

佐藤浩平(Creative Academy責任者)※以下、佐藤:

アカデミー時代、特に苦労したことは何でしたか。それをどう乗り越えたのかも教えてください。

やはりスケジュールと、細部を見すぎてしまう自分の癖です。
アカデミーではスケジュールに対してクオリティも厳しく見られるので、細部にこだわりすぎると時間が足りなくなってしまいます。そのバランスを取るのがとても大変でした。
今は「まず全体の完成度」を意識して作業できるようになり、仕事でも「どこまでやるべきか」を自分でコントロールできるようになりました。

また、以前はリーダーシップを取るのが苦手で、前職で副リーダーを任されたときに周りから厳しい言葉をもらった経験もあり、自信を失っていました。本を読んで勉強したり、実際にチームの中で自分から動いてみたりするうちに、「案外、自分でもリーダー的な動きができるし、楽しい」と思えるようになりました。今では、年上の方とも臆せずコミュニケーションを取れるようになったのは、大きな変化です。

自分が一番苦労したのは、美術の基礎がまったくなかったことです。
アカデミーに入ってみると、趣味で絵を描いていたり、美術系の学校出身だったりする人が多く、「自分だけ何もない」という感覚がありました。

最初に作った等身高めのモデルを見たときも、「首はそこから生えていない」「口が前に出すぎている」など、本当に基礎的なところから多くの指摘を受けました。

ただ、自分には「これが正しい」という自信がまったくなかったので、「そうなんだ」と素直に受け入れることができました。みなさんが「どこが、なぜおかしいのか」を具体的に教えてくれたおかげで、少しずつ「何が足りていないか」を客観的に見られるようになっていきました。
今はアナログの造形教室にも通い始めていて、アカデミーで見えた課題を埋めるような形で、基礎力を伸ばしているところです。

アカデミーに入る前の自分は、チャレンジするタイプではまったくありませんでした。
大学も「就職に強そうだから」という理由で選び、家ではゲームをだらだら遊ぶだけで、深く考えずに過ごしていました。

半導体業界に進むことを現実的に考えたとき、「このまま残りの人生をかけるのは違う」と思い直し、アカデミーに飛び込んだのが最初の大きなチャレンジでした。
「失敗をたくさんした方がいい」という言葉もあり、今では「失敗しても、それをきちんと消化して次につなげれば、失敗ではなくなる」と考えられるようになりました。

チャレンジすることが楽しくなり、自己肯定感も大きく変わったと感じています。今の自分は「自分が好き」と言えるくらいになりました。

現在の仕事と、感じている「楽しさ」

今、プロとしてどんな仕事をしていて、どんなところに面白さを感じていますか?

今はプランナーとして、本当に幅広い仕事をさせてもらっています。

自社IPの案件では、ゲーム開発だけでなく、リアルイベントの企画やグッズ制作の進行なども担当しました。

以前は外部案件で、ゲームエンジンを使ったマップ制作にも携わりました。ユーザーが歩いたときにどんな景色が見えて、どんな感情が生まれるかを考えながら、UXまで含めてレベルデザインする仕事です。

最初は「とにかく開発がしたい」と思っていましたが、今はグッズやイベントなど、どんな仕事でも楽しいと感じています。「このグッズを手にした人はどう感じるだろう」「この体験でどんな笑顔が生まれるだろう」と考えながら企画するのが好きで、気づくと時間があっという間に過ぎています。

キャラクターモデラーとしては、案件によって担当範囲が変わります。

モデル制作、UV展開、テクスチャ作成、リギング、場合によってはゲームエンジンへのセットアップまで行うこともあります。

個人制作ではすべて一人で行っていましたが、現場では分業とチームワークで一つのキャラクターを作り上げます。みんなで作っている感覚がとても楽しいです。

スタジオの中では、同時にいろいろな案件が動いていて、まだ情報が出ていないタイトルもたくさんあります。プレイヤーの立場ではずっと後にならないと知れない部分に、今は自分が関わっている。その実感が、「ゲーム業界に入ってよかった」と思える瞬間です。

僕もキャラクターモデラーとして、モデル制作やテクスチャ作成などを担当しています。案件によって役割は変わりますが、1キャラクターを最初から最後まで任せてもらったこともあります。

仕事を通して感じるのは、「知識欲がとても満たされる仕事だな」ということです。やり方を教わるたびに、「こんなに効率的な方法があるのか」と驚くことが多く、自分の中で知識がどんどん更新されていくのが楽しいです。

これからのビジョン

今後、どんなクリエイターになりたいですか。それぞれのビジョンを教えてください。

目標はずっと変わっていなくて、子どもの頃から憧れてきた有名ゲームタイトルのキャラクター制作に関わることです。アカデミーや現場で身につけた知識や技術を総動員して、もっと良いモデルを作れるようになりたいと思っています。

社内には「こんなタイトルまで作っているのか」と驚くような案件も多く、ここにいる限りチャンスはあると感じています。そのときに声をかけてもらえるよう、これからも自習制作を続けていきたいです。

まずは基礎力をしっかり上げていきたいです。
社内案件の中で「これをやりたい」と思ったものがありましたが、今の自分のスキルではまだアピールできないと感じ、悔しい思いをしました。

次に同じようなチャンスが来たときには、「できます」と自信を持って言えるようになりたいです。そのために、今は造形教室にも通い、基礎から積み上げています。

もう一つの夢は、ゲームのスタッフロールに自分の名前を載せることです。日本のゲームが好きでこの業界に入ったので、いつかその瞬間を迎えられたらと思っています。

将来的には、ディレクターとして自分のゲームを作りたいです。
特にシステムを考えるのが好きなので、新しい遊びの形を生み出したいと思っています。
あるゲームのシステムが面白いからこそ、そのジャンルが派生していきますよね。
いつか、自分が作ったシステムからジャンルが生まれ、「これは平林系だね」と言われるようなゲームを生み出すのが目標です。

ゲーム業界を目指す後輩たちへ

最後に、「ゲーム業界に行きたいけれど不安」「失敗が怖い」と感じている後輩たちへ、一言ずつメッセージをお願いします。

モデラーを目指す方には、3Dだけでなく美術の基礎にも少しずつ触れておくと良いと伝えたいです。忙しい中でも、週に一枚でもデッサンを描くなど、形の理解を深める時間を取ると、将来の力になります。

また、何かを始めるときのハードルは下げた方が続きます。「今日は10分だけやろう」と決めて作業を始めると、そのまま手が動くことも多いです。完璧を目指すより、小さくても続けることが大事だと思います。

未来のことは誰にも分かりませんし、周りから「難しいのでは」と言われることもあると思います。それでも、悩んで立ち止まっている時間が長くなるほど、何も変わりません。

不安があっても、とりあえず全力で飛び込んでみることが大切です。うまくいかなかったとしても、その過程で身につくものは必ずあります。失敗したら「経験が一つ増えた」と考えて、次に活かしてほしいです。

自分も最初は「この道しかない」と思い込んでいましたが、本当にやりたいことに気づき、アカデミーに飛び込みました。今振り返ると、あのときチャレンジして本当によかったと思っています。

若いうちの失敗は、後から必ず自分の糧になりますチャレンジしなければ、成功も失敗も生まれません。少しでも興味があるなら、ぜひ一歩踏み出してみてください。

<後半>編集後記

今回のインタビューでは、クリエイティブアカデミーを経て、クリーク・アンド・リバー社のスタジオでそれぞれの役割を担う3人に話を聞きました。共通して印象的だったのは、「最初から自信があったわけではない」という点です。不安や迷いを抱えながらも、学びの場に身を置き、現場に立ち続けることで、少しずつ自分の立ち位置を見つけてきた様子が言葉の端々から伝わってきました。

それぞれが描く将来像は異なりますが、いずれも現在の延長線上にあり、日々の積み重ねを大切にしている点が印象的でした。最後に語られた後輩への言葉は、これからゲーム業界を目指す人にとって、現実的でありながら背中を押してくれるメッセージになっているはずです。

アカデミーで得たものは、技術や知識だけではありません。失敗を前提に挑戦する姿勢、早めに相談する習慣、チームの中で役割を果たす意識──そうした考え方が、現在の仕事を支えていることが分かります。これからゲーム業界を目指す人にとっても、すでに現場で働く人にとっても、3人の経験が何かを考えるきっかけになれば幸いです。

もし今、ゲーム制作に興味はあるものの「何から始めればいいのか分からない」と感じているなら、まずはGame Creators Farmで、その一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

C&R Creative Academyでは授業料が完全無料。
就業後を見据えた実践形式の授業で、プロを目指す方を育成します。
ゲーム業界への就職を目指す方は、ぜひ一度、説明会や無料カウンセリングにご参加ください!

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