スタントマンがモーションデザイナーに⁉「戦いの場」として臨んだアカデミーで得た新しい活躍の場所

クリーク・アンド・リバー社が運営するC&R Creative Academy(以下アカデミー)運営が、卒業生にインタビューして、本音で語ってもらうシリーズ。

今回インタビューした卒業生は、スタントマンからモーションデザイナーに転身した異色の経歴を持つ小座間さんです。自分が体を動かす側からアクションを作る立場に変わり、そのキャリアはどう活かされたのでしょうか。「誰もがこれまでの経験をフル活用できる」と小座間さんが語るモーションデザイナーの魅力についても、たっぷりうかがいました。


[インタビュイー]
3Dモーションコース卒業生:小座間さん(2022年10月)

[インタビュアー]
C&R Creative Academy運営:大久保 よし美、高橋彩、千葉悠


スタントマンからモーションデザイナーの道を選んだ理由

大久保(C&R Creative Academy大久保)※以下、大久保
まずはアカデミーに入校された経緯について教えてください。

小座間さん(卒業生)※以下、小座間:
アカデミーに入る前は、7〜8年ほどスタントマンをしていました。30歳になった頃、この先ずっと続けていくのは難しいと思ったので、それまで培ったアクションの技術を何かに活かせないかと考えたんです。それで、CGモーションに行き着いたんですよね。
半年くらい独学で勉強しましたが、この先どうしたらいいかわからなくなってしまって。学べる場所がないか調べたら、アカデミーに出合いました!

大久保:
最初はご自身で勉強されていたのですね。
学ぶ場所は専門学校などいろいろな選択肢があったと思いますが、アカデミーを選ばれた理由は何だったんでしょうか。

小座間
専門学校は料金も高めで、東京に集中しています。当時は北海道の実家に帰る予定だったので、リモート受講できるアカデミーを選びました。あとは、「受講料無料」というのがやっぱり1番の魅力でしたね。就職先のサポートをしてもらえるのもすごくいいなと思いました。

大久保:
アカデミーの強みを魅力だと思っていただいて、嬉しいです!

高橋(C&R Creative Academy運営)※以下、高橋:
実際に自分で体を動かすスタントマンと動きを作るモーションデザインの仕事は、似ているようで別物だと感じますが、不安はなかったのですか?

小座間
スタントマンをしている時も、自分が動くだけでなく、作品に合ったアクション作りや演出を担当したり、誰かに教えたりすることもあったんですよ。それも楽しかったですし、考えても自分にはできない動きもあるので、誰かやってくれないかな…と思うこともありました。だから、モーションデザインの仕事にあまり抵抗はなかったです。今も自分にちょうどいい仕事だと思っています!

高橋:
そんな共通点があったのですね!

就職後すぐに役立ったアカデミーの学びと経験

大久保:
アカデミーの授業はどんな印象でしたか?担当は佐久間先生でしたよね。

小座間:
はい。佐久間先生に教えていただいたことは、今仕事を進める上でも全部役立っているなと感じますね。シルエットの付け方や動きの緩急は、最初全然わからなかったんですが、もっとこうした方がいいと細かくフィードバックしていただきました。

大久保:
佐久間先生は経験が豊富ですもんね。

小座間
技術はもちろんですが、実務面での情報や会社の雰囲気など、たくさんの現場を知る方ならではの話も印象に残っています。
あと、アカデミーの勤怠※のシステムはすごくよかったです!就職してからも、その流れはほとんど変わらないので、会社でも戸惑わずにすんなりと作業に入ることができたと感じています。

※勤怠について:アカデミーは勉強する場所ではなく、『プロになる為に準備する場所』と位置づけており、仕事同様に勤怠を厳しく管理しています。所属コースごとに決められた受講時間の中で出勤打刻と退勤打刻をお願いしています。

大久保:
「すぐに実務に活かせる」ことを意識してアカデミーを運営しているので、とても嬉しいです!
就職活動はいかがでしたか?

小座間
僕自身がゲーム会社をほとんど知らなかったこともあり、エージェントの方に「いろいろな経験が積める」という要望を伝えたあとは、任せていましたね。ポートフォリオを見ていただいて、エージェントの方がここだったらいけると判断した会社を受けていきました。

大久保:
「希望の企業を狙い打ち」というよりは、経験できるところをまず第1優先に提案してもらったんですね。

小座間
そうですね。エージェントの方がいろいろな会社をピックアップして、面接の予定もすぐに入れてくださったので、就職活動自体もとてもスムーズでした!

モーションデザインの基本は「体を動かすこと」

大久保:
現在のお仕事では、どんな企画に関わっていますか?

小座間
今は刀などの武器を使う近接アクションゲームで、主に攻撃モーションを作ったり、キャラクターの表情や仕草をつけたりしていますね。これまでの経験を活かせるアクション系のゲームに携わることができて、すごくやりがいを感じています。

大久保:
小座間さんにマッチしたお仕事ですね!
スタントマンとモーションデザインの仕事の違いに、戸惑ったことなどはありますか?

小座間
ゲームは操作感覚や見栄えが重要視されますので、実際の人間にはできないアクションも作らないといけないんです。その辺りをすり合わせるのが難しかったですね。
例えば、人間は1秒もしないで相手に反応して攻撃することは不可能ですが、ゲームとしてはそれも必要になります。そうした「本来人間がしない動き」をどの程度まで作って大丈夫なのか、不自然に見えないのかは悩みましたね。

大久保:
なるほど。そうした「ゲーム特有の動き」を表現する際、特に意識されていることは何ですか?

小座間
“シルエット”ですね。人間の攻撃のポーズって実はそこまで美しくないんですが、ゲームでは魅力的に見せる必要があります。シルエットをうまく出して、さらに動きの差をつけることで、短い秒数でも攻撃が印象的に見えます。そこはしっかりと意識しています。

大久保:
そんな工夫をされているのですね!
モーションデザインは感覚的な部分が大きいと思いますが、その他にも小座間さんが実践していることはありますか?

小座間
担当しているゲームと同じ分野のものをプレイしたり、あとは、自分の体を動かしたりはよくしていますね。SNSにモーション動画をアップしていますが、自分で動いたものを倍速にしてゲームに近い動きを表現したりもしています。

大久保:
おお!それはスタントマンをしていた小座間さんだからできることですね。

小座間
ありがとうございます。でも、アクションの仕事をしていなくても、自分で体を動かしてみることは大切です。今の会社でも新人は体を動かした方がいいと教わるみたいで、急に立ち上がって動き出す人もいます(笑)
実際自分でやってみないと重心の細かい動きなどはわからないですからね。

大久保:
確かに!
今後新しく挑戦したいことなどはありますか?

小座間
もっといろいろなアクションの動きを作りたいですね!あとは今、男性の動きが多いので、女性のアクションも作ってみたいと思っています。

誰もが経験をフル活用できるのがモーションデザイナーの仕事

大久保
モーションデザイナーは、知らないとイメージが湧きにくい分野ですよね。小座間さんは実際に働いてみて、その魅力はどこにあると感じていますか?

小座間:
“キャラクターに命を吹き込める”ことはやはり魅力的だと思います。モデリングした段階では人形みたいなキャラクターに、どう芝居や演技、アクションをさせて、イキイキ動かすことができるか。そこがモーションデザイナーの腕の見せどころです。自分の思い通りに動きをつけられると、達成感がありますね。

大久保:
キャラクターの個性は、モーションデザイナーが担う部分も大きいですよね。

小座間:
それに、モーションデザインはこれまでの経験を活用しやすいので、向いている人は多いと思いますよ!僕自身もスタントマンの経歴を活かせていますが、その他にも野球やサッカーなどのスポーツをしてきた人なら、独特の体の使い方を知っていることが強みになります。今までの経験が結びつく喜びは、たくさんの人が感じられるんじゃないでしょうか!

大久保:
よく考えたら、私たちは日常生活でいろいろな動きをしていますもんね。

小座間:
そうですね。人の歩き方を見るだけでも、「この動きいいな」などと普段から考えてしまいます(笑)



大久保:
最後に、今アカデミーを受講しようか悩んでいる方に、一言コメントをいただけますでしょうか。

小座間:
アカデミーは、バリバリと活躍されている現役の講師の方が直接自分の作品にフィードバックをしてくださるので、とても勉強になります。リモートでどこからでも、しかも無料で受講できるので、とてもいい場所だと思います。
ただ、一つ注意点があります。「アカデミー」という名前ですが、単に授業を受ければ上達するというわけではないです。「就職するまでの支援をしてくれる場所」くらいの認識でいる必要があると思います。
僕の場合は、毎回フィードバックを戦いの場だと思っていました。単に言われたことを聞いているだけでなく、自分から積極的に行動しないと、就職するレベルになるのは難しいです。

大久保:
厳しくも温かいコメント、ありがとうございます!おっしゃる通り、就職前の「準備の場所」として挑戦してもらいたいですね。みんなガツガツと就職のために頑張っているので、本気で食らいついて、積極的に講師の方に作品を見せていくのが成長の鍵だと思います。

小座間:
アカデミーでやっていけたら、就職してからも大丈夫!受講方法も現場に近いですし、アカデミーを就職先だと思った方がいいですね。そのくらいの気概があれば、飛躍的に成長できる場所だと思います。

大久保:
小座間さん、今日は本当にありがとうございました!

取材後記

アカデミー受講中も高い意識と積極性を保ち、常に危機感を持って日々を過ごしていた小座間さん。その受講姿勢や経験は、クリエイティブ関連の仕事を志す方が実践できるものばかりで、非常に参考になったのではないでしょうか。ご自身の経験を活かしつつ、アカデミーの強みをすべて自分のものとして吸収した小座間さんのこれからの活躍が楽しみです。

アカデミーでは授業料完全無料で、就業後に活かせる実践形式の授業を行っております。
気になる方や少しでも興味がある方は、こちらから随時説明会を開催しておりますので、ぜひ参加してみてください。

おまけ

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アカデミー時代のモーション作品

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