「やらずに後悔するのが嫌」——ゲームを知らなかった社会学部生が、背景モデラーとして内定をつかむまで

クリーク・アンド・リバー社(C&R社)が運営するC&R Creative Academy(以下、アカデミー)責任者佐藤が、卒業生にインタビューして、本音で語ってもらうシリーズ。

今回お話をうかがったのは、3DCG背景モデルコースを卒業し、ゲーム会社への内定を勝ち取った立石さんです。社会学部に在籍しながら、大学の課外活動をきっかけにCGと出会い、「ゲーム業界を目指す」という確信を持たないままアカデミーに飛び込んだ立石さん。大学との並行受講に限界を感じ、思い切って大学を1年間休学してアカデミーに軸足を移した決断、仲間との対話で乗り越えた挫折、そして就職活動で自分なりの情熱を言語化していくプロセス——。「とりあえずやってみる」という一貫した姿勢が、どのように道を切り開いていったのかを、等身大の言葉で語っていただきました。

これからクリエイティブ業界を目指す方にとって、きっと背中を押してくれるストーリーです。


[プロフィール]
3DCG背景モデルコース卒業生:立石さん(2026年4月卒業)
社会学部在籍中、大学1年生の夏頃に課外活動をきっかけに3DCGと出会う。
夜間3DCG背景モデルコースを受講中、大学との並行受講に限界を感じ、1年間休学して昼間3DCG背景モデルコースへ転籍しアカデミーに専念。2026年にアカデミーを卒業し、ゲーム会社への内定を獲得した。

[インタビュアー]
C&R Creative Academy責任者 佐藤浩平
C&R Creative Academy運営 大久保よし美


CGとの出会いは、大学の課外活動から

佐藤浩平(Creative Academy責任者)※以下、佐藤:

3DCGの背景を目指したきっかけや、タイミングを聞かせてもらえますか。

立石さん(卒業生)※以下、立石さん:

3DCGを始めたのは大学1年生の夏から秋頃ですね。大学では社会学を専攻していたので、CGとは全く関係がなかったんです。ただ、課外活動で「大学のバーチャルキャンパスを作ろう」というプロジェクトがあって、「面白そうだな」と思って参加したのがきっかけでした。当時はCGの知識も全くなかったんですけど、とりあえずやってみようという感じでしたね。

佐藤:

それまではCGに触れようとも思っていなかったんですか?

立石さん:

そうですね。CGというもの自体をあまり意識したことがなくて、パソコンも高校生の頃は持っていませんでした。大学に入って初めてMacBookを買ったくらいで、WordやExcelの使い方もよく分からない状態だったんです。

佐藤:

 WordやExcelより先にCGを始めたんですね(笑)。

立石さん:

そうですね(笑)。ほぼ同じ時期です。そのプロジェクトでは建物を作ることが中心だったんですが、作業を進めるうちに「背景を作るのが楽しいな」と感じるようになって。そこからもっと背景制作をやってみたいと思うようになりました。

佐藤:

じゃあ、その時点ではゲーム業界を目指していたわけではなかったんですね。

立石さん:

そうなんです。「CGを仕事にしたい」という気持ちはありましたが、ゲーム業界に行くのか、他の業界に行くのかまではまだ決めていませんでした。業界について具体的に考え始めたのは、アカデミーに入ってからですね。

佐藤:

 なるほど。まずは「CGが楽しい」が先にあったわけですね。

立石さん:

本当にそうでしたね(笑)。今思うと、よくそれで受かったなと思います。
ただ、面接では「趣味で終わらせるのではなく、仕事としてCGに向き合いたい」という気持ちと、そのために自分が何を考えながら制作しているのかはしっかり伝えたつもりです。

佐藤:

 しかも一発合格でしたよね。

立石さん:

ありがたいことに、一回で合格できました。

大学との並行受講の限界、そして休学という決断

佐藤:

入校してからのギャップはありましたか。

立石さん:

スケジュール感が厳しいなと思いました。こんな短期間で終わらせなきゃいけないんだと、びっくりしました。実際、スケジュール通りには全然いかなくて。入ってから半年ちょっとは大学に通いながら夜間コースに通っていたので、夕方に帰ってきて授業を受けて、次の日も大学があるから早く寝なきゃ、という状態で。技術もまだ足りないし、わからないことばかりで全然進まなかったですね。

佐藤:

それで大学を休学することにしたんですね。よく決心できましたね。

立石さん:

周りの人のいろんな意見も聞きつつ、やっぱり自分の人生だし、自分が今やりたいことをやるべきかなと思って決めました。同学年の人たちと1年ずれてしまうんですけど、友人はいつでも会えるし、次の学年の子たちとはまた友達になればいいかな、くらいの気持ちでいました。

佐藤:

ポジティブですね。眩しいくらい(笑)。

立石さん:

大学に海外の友人もたくさんいて、休学したり別の大学に入り直したりしている子たちを見ていたので、そういう道もあるんだなと思えたのはありますね。

「みんな超人に見える」——仲間との対話で乗り越えた挫折

佐藤:

アカデミーの環境はいかがでしたか。

立石さん:

一言で表すなら、「愛」だと思います。
本当に周りの人たちに支えられてここまで来られたと感じていますし、自分一人では到底たどり着けなかったと思っています。

一人で取り組んでいると、どうしても目標を低く設定してしまったり、自分に甘くなってしまったりすることがあるんです。でも、熱量の高い人たちと一緒に学ぶことで、「自分ももっと頑張ろう」と思えました。その反面、常に高い熱量の中にいるので、疲れている時や挫折しそうな時は少し苦しく感じることもありましたね。

佐藤:

そういう時は、どうやって乗り越えていたんですか。

立石さん:

一番大きかったのは、人と話すことでした。あまり周囲と話さずにいると、みんなが本当にすごく見えてしまうんです。「悩みなんてないんじゃないか」とか、「順調に進んでいるんだろうな」とか思ってしまって。

でも実際に話してみると、みんなそれぞれ悩みを抱えながら頑張っているんですよね。

それを知った時に、「悩んでいるのは自分だけじゃないんだ」と思えましたし、「みんなも自分なりに壁を乗り越えているんだな」と感じられて、自分ももう少し頑張ろうと思えました。

佐藤:

そこに気づくまでは大変だったですよね。みんな「周りがすごい」と言うんです。でも、立石さんも周りから見たらその一人なんですよ(笑)。

立石さん:

自分でも成長している感覚は少しずつあったんですが、人ってどうしてもできなかったことばかり目についてしまうんです。すると、自分が前に進めていることには気づけなくて、周りだけがどんどん成長しているように見えてしまう。たぶん、当時の苦しさはそこから来ていたんだと思います。

今振り返ると、一番大事なのは自分自身を信じることと、少しでも成長した自分を認めてあげることなのかもしれませんね。

講師との関わりで育った主体性

佐藤:

講師とのやり取りで印象に残っていることはありますか。

立石さん:

本当に最初から最後までお世話になりました。技術的なことだけではなく、物事の考え方や主体性の持ち方まで教えていただいたと思っています。
ただ、入校したばかりの頃は正直かなり不安でしたね。先生は答えをすぐに教えるというより、自分たちで考えることを大切にされるタイプだったので。
わからないことだらけの状態で「自分で決めてみよう」と言われても、何が正解なのか分からなくて。「主体性を持つってこんなに難しいんだ」と感じていました。

佐藤:

そこから少しずつ変わっていったんですね。

立石さん:

そうですね。先生から主体性の持ち方や考え方を少しずつ教えていただいて、それを実践していくうちに自然と苦ではなくなっていきました。今振り返ると、本当に必要な経験だったと思います。
スケジュールを組む時も、ポートフォリオ制作も、就職活動も、自分で考えて決める場面ばかりでした。主体性はどの場面でも欠かせない力だったなと感じています。

佐藤:

後半の実践フェーズの課題制作に取り組んでみてどうでしたか。

立石さん:

また違うタイプの難しさがありましたね。オリジナル作品を作っていたので、オリジナルならではの難しさというか。自分が考えていることがないと何も始まらないし、それを伝えないと何も生まれないので。先生や受講生が「もっとこういうところも考えたらいいんじゃないか」と教えてくれたおかげで、一人ではたどり着けなかったところまで考えられましたね。これって絶対一人じゃできなかったことで、誰かがいる環境だったからこそできたことだと思います。

▲最終課題で制作したオリジナル作品

就職活動——知識ではなく、想いを伝えることを意識した

佐藤:

就職活動はどうでしたか。

立石さん:

全体的には比較的スムーズに進んだと思います。ただ、ゲーム業界を目指しているわりには、そこまでゲームに詳しいわけではなかったので、その部分には少し苦労しましたね。

周りには本当にゲームが好きで、作品や業界について深い知識を持っている方がたくさんいたので、その点では自信がありませんでした。

佐藤:

そこはどのようにカバーしていかれたんですか?

立石さん:

知識量だけだと負けてしまうので、自分が人生の中でゲームにどう揺れ動かされたか、どういうところに心を動かされて、どんなものを届けたいのか、情熱の部分を全面に出すようにしました。エージェントの戸井さんにもすごく助けていただいて。
何か相談するとすぐに対応してくださって、「こういう考え方もありますよ」とアドバイスをいただいたり、必要に応じて面談の時間を作ってくださったりして、すごく親身に寄り添っていただきました。
戸井さんがいなければ、ここまで深く自分と向き合えていなかったと思います。

佐藤:

面接練習の成果はありましたか。

立石さん:

大体は予測通りでした。アカデミーで用意してくださっている事前チェックシートを軸に使って、それを応用したら答えられるものもたくさんありました。企業ごとに過去の質問も調べながら、「対策できることは全部やろう」という気持ちで準備していました。

佐藤:

最終的に入社先を決めた理由は何だったんですか。

立石さん:

一番大きかったのは、自分のやりたいことに挑戦できそうだと感じたことですね。
CGを通してどんなことができるのかを大切にしていたので、自分がやりたい表現や制作に取り組める環境だと感じました。また、その会社が携わっているゲーム作品の中には、自分が実際にプレイしたことのあるタイトルも多かったんです。好きな作品づくりに作り手として関われるかもしれないと思った時は、本当にワクワクしました。

アカデミーに入って間もない頃から「いつか行きたい」と思っていた会社だったので、ご縁をいただけた時は本当に嬉しかったですね。

CG技術以上に大きかった、人としての成長——どんな問題にもへこたれない心

佐藤:

アカデミーの受講期間の中で自分の中で大きく変わったところはどこだと思いますか。

立石さん:

技術的な成長ももちろんあるんですけど、一番大きいのは、少しのことで諦めなくなったことかもしれません。アカデミーを卒業した後も、大学やアルバイトの中で「難しいな」とか「できないかもしれないな」と思う場面はたくさんあるんです。

でも、そういう時に「アカデミーで経験したことに比べたら、まだ大丈夫だな」と思えるようになりました。以前よりも、簡単には諦めなくなったと思います。

佐藤:

CGの技術だけじゃなくて、もっと根本的なところが鍛えられた感じですね。

立石さん:

そうですね。人としての忍耐力とか、自主性とか、どこの業界に行っても多分必要なんだろうなという核の部分が鍛え上げられた気がします。ここに来てなかったと思うと、正直ちょっと恐ろしいですね。どんな人間になっていたか、と。

迷っている人へ——「とりあえずやってみる」から始めてみて

大久保(C&R Creative Academy運営)※以下、大久保:

これから業界を目指す方や、アカデミーへの応募を迷っている方へメッセージをお願いします。

立石さん:

他の人と違うと不安になって、自分がやっていることが正しいのかなと思う時があると思うんですけど、その人にしかない何か違う方面で誇れるものや、固く決意していることってあると思うんです。それを自信を持って表に出す勇気を持ってほしいなと思います。

正直、最初から高い技術力がある必要はないと思っています。それよりも、自分の気持ちや熱量をしっかり伝えられることの方が大事なんじゃないかなと。

まずは重く考えずに、軽い気持ちでいいから人に話してみるとか、自分で紙に書き出してみるとか。本当に自分はそこに熱量を持っているんだなとわかったら、理由はなんであれ挑戦してもいいのかなと思いますね。

大久保:

立石さんの周りにも、きっと影響を受けている人がたくさんいると思いますよ。業界に入ってからも、いい循環を生んでくれるんだろうなと楽しみにしています。

立石さん:

ありがとうございます。いろんな人と話して、楽しみながら何かを作れる人になっていきたいですね。

取材後記

「とりあえずやってみる」——立石さんのインタビューを通じて、その言葉が単なる勢いではなく、責任感と周囲への配慮を伴った、しっかりとした行動指針であることが伝わってきました。ゲーム業界への熱量が他の受講生より大きくないかもしれないと感じながらも、自分なりの情熱を言語化し、粘り強く走りきった立石さん。アカデミーで鍛えられた「反力」と主体性は、これからのキャリアでも必ず力になるはずです。
立石さんの今後のご活躍を、心より応援しています。

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