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「私もこういうゲームを作って、誰かに感動を与えたい」経済学部から未経験で3DCG背景モデラーへ。

クリエイティブ業界を目指すあなたへ——。

「未経験だから」「専門的に学んでこなかったから」と、一歩を踏み出せずにいませんか。

今回お話をうかがったSさんは、大学の経済学部に通いながら、まったくの未経験から3DCG背景モデラーの道に挑戦しました。大学の授業とアルバイトの合間を縫って、多い日には1日12時間以上もパソコンに向かう日々。しかも、アカデミーには一度不合格になり、そこから這い上がっての合格でした。

学校・アルバイト・アカデミーの三足のわらじ。限られた時間、募集締め切り間近での就職活動——。数々の壁を、Sさんは「人を頼る力」と「新しいことを楽しむ気持ち」で乗り越えていきます。就業開始をまさに1週間後に控えたタイミングで、その挑戦の軌跡と、同じように迷っている人へのメッセージを語っていただきました。


[プロフィール]
夜間3DCG背景モデルコース卒業生:Sさん

[インタビュアー]
C&R Creative Academy運営 大久保よし美


経済学部から一転。「私もこういうゲームを作って、誰かに感動を与えたい」

大久保(Creative Academy運営)※以下、大久保:

まず、Sさんが背景モデラーを目指したきっかけから聞かせてください。

Sさん(卒業生)※以下、Sさん

きっかけは、大学三年生の夏から秋ぐらいの時でした。ちょうど就職活動の時期で、「自分がやりたいことって何だろう」と考える時期だったんです。もともと経済学部で、商品開発とか、自分が携わった商品が世に出て、誰かに喜びや感動を与えたいという思いがあって入学していました。

大久保:

なるほど。もともと「何かを提供したい」という関心があったんですね。

Sさん:

はい。でも実際に就職活動を目の前にして改めて考えたときに、小さい頃からお絵かきとか、何かを作ったりするのが好きだったなと。自分が直接関わったもので誰かに感動や喜びを与えたい、という思いがあったんです。それと、もともとYouTubeのゲーム実況を見るのが好きで。その中で『Detroit: Become Human』や『The Last of Us』シリーズを見て、すごく感動して。「私もこういうゲームを作って、誰かに感動を与えたいな」と思ったのが、CGを目指すきっかけでした。

大久保:

ゲームがきっかけなら、キャラクターやモーションという選択肢もあったと思います。なぜ「背景」だったんですか?

Sさん:

『The Last of Us』シリーズとかで、背景の作り込みがすごくて。キャラクターがいなくても、背景だけで何かメッセージ性があったんです。小物の配置とかもすごくこだわりがあって。「ちょっと前までここに人がいたのかな」とか、そういう想像の余地のある背景で。直接的に何かがあるわけじゃないけれど、そのものを通して何かメッセージを伝えられる——そこに背景の良さをすごく感じたので、背景を選びました。

学校・バイト・アカデミーの三足のわらじ。「1日12時間以上やっていた」日々

大久保:

Sさんは大学に通いながら、アカデミーを並行して受講されていましたよね。両立はかなり大変だったのではないですか?

Sさん:

そうですね。もともとアルバイトと大学の授業で、1週間がけっこう忙しくて。授業がある日は大学に行くついでにアルバイトをして、帰ってきてから夜間の授業を受ける、というサイクルでやっていました。

ただ、最初の方はそれだと自分の技量も足りない中でCGの勉強もしなきゃいけなくて…。後半は、アルバイトの時間を削って、できる限り自分の時間を作れるようにしていました。

大久保:

体力との戦いでもあったんじゃないですか。1日だいたいどれくらい学習に時間を費やしていたんですか?

Sさん:

ちゃんと測ってはいないんですけど、朝起きてすぐパソコンをつけて、集中が切れるまで作業して、休んでまたずっとやる、という感じで。すごく作業している日だと、12時間以上は作業していました。

大久保:

すごい集中力ですね。何か意識していたことはありますか?

Sさん:

好きなことをやっている時は、けっこう没頭してできるんです。それと、制作と向き合っていると頭を使う段階と、頭を使わずにただ黙々と作業する段階があることに気づいたんです。。テクスチャの作業なんかは、今はあまり考えずにできるので、ずっとやっていられましたね。

一度は不合格。「落ちた事実を真摯に受け止めて」再挑戦で掴んだ合格

大久保:

実はSさんは、アカデミーに一度応募して、不合格になっているんですよね。その時、正直どう思いましたか?

Sさん:

そうなんです、落ちてます。

でも、自分でもそんなにクオリティの高いものを作れている自信がなかったので、落ちてしまったという事実は真摯に受け止めて。「じゃあ次はどういう作品を作ったら自分の本気度が伝わるんだろう」という観点で、リファレンスを選んで作っていましたね

大久保:

一度不合格にしたのは、運営としてもすごく悩んだ末のことだったんです。

当時のSさんは実況は見ていたけれど、あまりゲームをプレイした経験がなくて、。「ファン止まりになってしまうんじゃないか」という懸念ありました。

ただ、再応募に向けて、Sさんは新しく模写をやってきてくれたのに加えて、「ゲームをプレイしてきました」と言ってくれた。「この人は本気でゲーム業界に関心があって、作るための努力ができる人なんだ」と。それで満場一致で合格になったのを覚えています。

Sさん:

そうだったんですね。

大久保:

具体的には、再応募に向けてどういうところを意識して努力したんですか?

Sさん:

1回目の応募の時はただの小物制作だけで出してしまっていたんです。なので次は、ちゃんと作品として見られるものを作ろう、室内の模写を作ろう、と意識しました。ライティングや物語性があるもの、それと自分の勉強になりそうなもの——ハードサーフェスがあったり、植物があったり、コードがあったりとか、作るもののジャンルが幅広いものを意識してリファレンスを選びました。

大久保:

いろんな要素が組み込まれた背景を一つ作ってくれたのは、よい評価でしたよ。面接では何か意識したことはありましたか?

Sさん:

やっぱり自分は技術力がないのを自覚していたので、そこは絶対にかなわないなと。だから、「自分で勉強してやりきれる能力と意欲がある」ということを、まず一番に伝えたいと思って。

それが伝わるように意識して話していましたね。ちゃんとした面接練習をしたわけではなくて、自分一人で言うことを考えてブツブツ言う、という感じでしたけど、伝えたいことを整理して本番に臨みました。

▲再応募時の作品。
一度の不合格を糧に、作品の「幅」と「本気度」を磨き上げて再挑戦。粘り強さで合格を勝ち取った。

「全体を8割仕上げてから細かいところを」忘れられない先生の一言

大久保:

入校してから、一番印象に残っているエピソードはありますか?

Sさん:

一番は、最初の課題をやっていた時に先生に言われた一言です。「全体を8割仕上げてから、細かいところをやってください」って。最初の課題でスケジュールをけっこう押してしまって。自分が作るのが遅かったのもあるんですけど、その原因が、細かいところにこだわりすぎてしまっていたことで。全体の絵作りよりも細部を作り込んでしまって、完成が遅くなってしまったんです。

大久保:

なるほど。制作技術というよりも、プロとして仕事を進めるための考え方を学んだ瞬間だったんですね。

Sさん:

それで先生に、「もっと全体を俯瞰して、8割ぐらい全体的に手が入ってから細かい部分を突き詰めないと、いつまでたっても完成しないよ」と言われて。それがすごく印象に残っていて、今でもずっと意識するようにしています。

大久保:

そこは本当に、受講生みんながつまずくところなんですよね。ついつい一箇所に集中して作り込んでしまう。まんべんなく全体に手を入れるために、Sさんが意識したことはありますか?

Sさん:

自分で全体的な画を見て確認するのはもちろんですが、アカデミーのいいところは、受講生同士でフィードバック会を行ってフィードバックをもらえることなんです。その時間をけっこう有効活用して、自分の視点だけでは気づけなかった足りない部分や、絵としておかしな部分を指摘してもらって。第三者の目を入れる、というところは意識していましたね。

「なんじゃこりゃ」から「魔法みたい」へ。新しい技術を楽しむということ

大久保:

楽しかったポイント、この環境で「楽しいな」と感じたことはありましたか?

Sさん:

楽しかったことは、まず個人的な部分だと、新しい技術を学んで、それを応用して自分のものに会得できた瞬間ですね。Adobe Substance 3D Painter は入ってから初めて触ったツールだったんですけど、最初はすごく難しくて、「なんじゃこりゃ」って思っていました(笑)。でも課題が進むにつれて、だんだん自分がしたいことを何も見ずにできるようになっていく——その瞬間がすごく楽しかったです。

大久保:

2ヶ月目の面談の時、確か第2課題からAdobe Substance 3D Painter をやり始めて、「今とても楽しいです」って言っていたのを、覚えています!

Sさん:

なんか魔法みたいだったんです。

大久保:

逆に、「これはしんどかったな」というのはありますか?

Sさん:

やっぱりツールの使い始めは、どの時も辛かったですね。Unreal Engineの時も辛かったですし、Adobe Substance 3D Painter も最初はちょっと。覚えるまでは大変なんですけど、その覚えた後に自分のものにできた達成感と楽しさは、やっぱりかけがえのないものでしたね。

大久保:

大変さよりも、できるようになる楽しさの方が大きかったんですね。

Sさん:

学ぶこと自体がもともと好きだったので、知らないものが知れたという部分では楽しんでできたと思います。1を知っていると、そこから2とか3に持っていきやすい業界だなとも思っていて。ベースとなる知識さえインプットできてしまえば、あとは自分で勉強すればいくらでも肉付けができるなと。だから、この業界を目指す人に向いていることがあるとしたら、新しい技術を学ぶことを楽しめる人は、すごく向いているなと思います。

一人で抱えないために。フィードバック会と仲間の存在

大久保:

他の受講生とコミュニケーションを取る機会は多かったんですか?

Sさん:

けっこう多かったですね。私は夜間の生徒なんですけど、昼間に時間があるときは昼間も顔を出して、昼間の生徒さんとも関わっていて。積極的に情報共有をしたり、「こういうのを作りたいんだけど、みんなだったらどうする?」と聞いたりして、いろんな知識をつけることができたと思います。

大久保:

新しい輪に飛び込むのって勇気がいると思うんですけど、抵抗感はなかったんですか?

Sさん:

最初はちょっと勇気がいったんですけど、Discordのサーバーにずっといてくれる方がいて。そういう方がいると、自分から入った時も温かく迎えてくれるんです。「あの声の人すごく優しいから、話してみな」って教えてもらったりもして。みんな同じ目標を持っている仲間なので、技術の出し惜しみもしないですし、同じゴールに向かう仲間として温かく迎えてくれる、という印象がありますね。

大久保:

本当にそうなんですよね。「もっと早くいろいろ質問してくれたらよかったのに」「全然怖くないから、もっと話そうよ」と言ってくれる人が本当にいるので。もしこれを読んでいる方がいたら、みんな優しいよということだけは伝えておきますね。

Sさん:

その環境のおかげで、自分一人じゃ解決できなかったことや、調べてもすぐ出てこないけど人に聞いたらすぐ解決できることが多くて。「人を頼る」ということも同時に学びました。

猶予はわずか3ヶ月。締め切り間近からの就職活動

大久保:

実際の就職活動はどうでしたか? まず、エージェントとのやり取りは。

Sさん:

自分が就職活動を始めた時期が、2026年新卒枠にもかかわらず12月の終わりから1月ぐらいで。3ヶ月しか猶予がないという状態で、自分の中で不安が多かったんです。でも、そういった不安もエージェントの方に相談したら、親身に面談の時間をいただいたりして、不安は解消されました。

大久保:

限られた期間の中で、就活はどんなふうに進めていったんですか?

Sさん:

自分が受けたかったところはもう募集を締め切ってしまっていたので、残された選択肢の中で、自分が興味のあるところという形で。最終的に3社を軸に就職活動を進めていました。

大久保:

その3社は、どういうところを基準に選んだんですか?

Sさん:

3社とも、自分の技術を高められる環境であること。あとは、スタイライズなものからリアル寄りなものまで、いろんなハイエンドのプロジェクトをやっていて、自己成長ややりがいがありそうなこと。そして、完成作品が自分のやりたいことに近いものであること——そういうところで選んでいました。

大久保:

就職活動に向けて、ご自身で練習したことはありますか?

Sさん:

面接練習は、エージェントの方とやっていただいたり、あとは大学の先生も頼って、面接練習をしたりしていました。

大久保:

今使えるものを最大限に活用して臨んだ、というところなんですね。本当に、ギリギリのところでよく頑張りましたね。おめでとうございます。

Sさん:

ありがとうございます。

▲面接時に提出いただいたMaya課題の作品

アカデミーに向いている人は「人を頼れる人」

大久保:

どんな人が、このクリエイティブアカデミーに向いていると思いますか?

Sさん:

やっぱり、人を頼ることができる人が向いているんじゃないかなと思います。自分一人でどうにかしようと思いがちで、私も入りたての時は「聞いたら悪いかな」と思って聞かなかったりしていたんです。でも思い切って人に聞いてみたら、意外と人って優しく教えてくれるんだなと。だから、人を頼れることと、あとは受け取った知識を人に惜しみなく提供できること。その両方ができる人は、すごく向いていると思います。

大久保:

それ、すごく大切なことなんですよ。

運営でも「今、業界で求められている人物像ってどんなものかな」という話をよくするんですけど、「リーダー的素養がある人」なんじゃないかと結論づけていて。

それはみんなを取りまとめる人だけじゃなくて、自分の意見をしっかり言える人や、さっきSさんが言ってくれたような「与えることができる人」も含まれると思っていて。Sさんはもうすでにその素養を持っていて、これから大きく活躍していくんじゃないかなと、個人的に思っています。

迷っている人へ——「やりたい気持ちがあるなら、やってください」

大久保:

最後に、これから業界を目指す方や、アカデミーへの応募を迷っている方へメッセージをお願いします。

Sさん:

やりたいという気持ちがあるなら、やってください、というのは言いたいです。もちろん、最後まで走りきるにはスケジュール管理力や、わからないところをちゃんと人に聞くコミュニケーション能力は求められてしまうんですけど。それでも、少しでもやりたいなという気持ちがあるのであれば、人生一度きりなので、ぜひ応募してみてください。

大久保:

「挑戦しなかった後悔」より「挑戦した時の後悔」の方が、気持ちが前向きになると個人的にも思うので。迷っている人がいたら、ぜひ飛び込んできてほしいですよね。

Sさん:

クリエイティブアカデミーのいいところは、みんな同じ熱量を持っていることなんです。適当な気持ちで業界を目指している人は全然いなくて、本気でこの業界に入ろうという強い意志を持っている人たちしかいない。そういう環境に身を置けるのは、とても素晴らしいことだなと思います。

大久保:

就業開始まで、あと1週間ちょっとですね。

Sさん:

はい、もうすぐです。最後に、個人的にお礼を言いたくて。アカデミーに入って、楽しいことも辛いこともあったんですけど、受講期間を延ばしていただいたりもして。自分がちゃんと就業できて、最後まで走り切ることができたのは、運営の方のサポートがあったからです。ありがとうございました。

大久保:

こちらこそ。Sさんの努力あってのこの結果だと思っています。
本当にお疲れ様でした。これからの活躍、応援しています。

取材後記

経済学部から、まったくの未経験で3DCG背景モデラーの道へ。学校・アルバイト・アカデミーを両立させながら、一度の不合格すらも「次にどう本気度を伝えるか」の糧に変えて、Sさんは道を切り拓いていきました。その原動力にあったのは、「新しいことを学ぶ楽しさ」と「一人で抱え込まず、人を頼る力」。就業を目前にした今、Sさんはすでに、業界が求める「与えることができる人」としての一歩を踏み出しています。今後のご活躍が本当に楽しみです。

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